2018年2月24日土曜日

新垣結衣「彼女の恋文」(2006)

新垣結衣の主演ドラマ第2作目は新人シナリオ大賞ドラマ「彼女の恋文」である。2006年3月17日にテレビ朝日系列で放送された。初主演ドラマ「トゥルーラブ」(フジ)の2か月後だ。

これ、もちろんDVDにもなってないし、たぶん再放送もされていない。新垣結衣出演作リストでもっともみることが難しい1作だが、今では海外動画サイトなど見る手はなくはない。
自分はアナログ地上波放送当時に録画したDVD-Rがあるのだが、こいつがもう死にかけている。早いとこなんとかバックアップを取っておかないといけない。
これを見たらおそらくガッキーオタの多くが「ギャルサー」と間違えるかもしれない。この1本が「ドラゴン桜」「ギャルサー」と並ぶ新垣結衣の3大ギャルJKドラマw

いきなり冒頭のシーンが「アレが来ないんだけど、どうすんのよ!」という、ガッキーファンにはショックな修羅場。ニヤついた茶髪チンピラ男から「こどもが流れるクスリ」を渡される。そりゃヒロインもこんな表情になる。この当時ガッキー17歳、顔が怖いな…。
こんなの見た中高生はそういう薬があるんだ!って思うかもしれない。それはよくないw
友人と街で買い物中も、ベビーカーを押した若い母親の姿を見て顔が曇る。
「どうしよう…」と悩むギャルJKガッキー。JKドラマでよく見る風景。結局クスリは飲まず、トイレから出てお腹を押さえて「よかった~来た~」で済むw

だが、このドラマはギャルJKドラマではない。ヒロインのばあば(渡辺美佐子)の忘れられない初恋と、「老い」をテーマにしたブルーなヒューマンドラマ。
この大ベテラン女優、市川崑「悪魔の手毬唄」で別所チエの母親役だった人だな。あと、市川準「つぐみ」でつぐみの母だった人だな。調べてみたら現在85歳になっているはず。ひょっとして、2016年を最後に女優業をやっていない?
公園でホームレスに絡まれたばあばを救ったハンサム爽やか大学生が、学徒出陣で散った忘れられない初恋の人にそっくり。孫のガッキーをダシに恋文を渡し、二人をつきあわせて陰から見守る。
この大学生(渡辺大)が公務員試験のパンフレットにでも載ってそうな真面目大学生。まったく釣り合わない「タイプじゃない!」という男。それにしてもギャルガッキーかわいいな。
家に呼んで家庭教師のシーン。髪留めおでこガッキーがかわいい。「眉毛がないから見ないで!」というシーンがある。ガッキーは沖縄生まれでとても眉毛は濃いのだが、ギャルの役が続いた当時は細く薄くしていたのかもしれない。

嫁(松田美由紀)と上手くっておらず家に居場所がないばあば。息子(益岡徹)は介護老人施設に預けることを決断。
男子学生が家に来てウキウキしているのに、座っているときに失禁してしまうシーンはショッキングだった。
「待って!そんなの聞いてない!」走るガッキー。このヒロインの部屋着はこんな感じ。
チンピラ男から真面目男へと切り替えたヒロイン。後半には見た目が劇的に変わってる!
この当時のガッキーは肌荒れが目立つ。だが、10代から肌が真っ白でつるっつるの美容オタJKよりもむしろ好感が持てる。
この表情は今現在のガッキーもよく使うガッキー十八番の表情だな。かわいい。
真面目大学生に「私のカラダはもう汚れている」と告白するも、「そんなの気にしないから」という爽やかカップルへw

ケバさがだんだん抜けていって、ラストシーンのばあばとの別れのシーンではもう完全にこどもガッキーになっていた。メイクってすごい。
ガッキーは今現在、空前の人気女優。4か月後にはついに30歳になる。なのにJK時代と見た目がたいして変わっていないことがすごい。このまま美魔女40代になってほしい。

2018年2月23日金曜日

yui 単身札幌のFM局に出張

yuiがいよいよ仕事に本気を出してきた。3月14日発売のNew Album「スポットライト」のプロモーションとツアーの告知宣伝のために、北海道札幌のFM NORTHWAVE XROSS JAM 出演のため単身乗り込んで仕事をしてきた。
yuiは初対面の人と話しても大丈夫なぐらいに、心はもうだいぶ癒えたようだ。

インタビューをしたラジオパーソナリティーの人が、自分からすると基本中の基本のYUI情報を知らなくて驚いた。YUIが福岡出身とか、ある理由で長年ブランクが空いたこととか、世間一般は意外に知らない。
そういえば2011年にJOIN ALIVEに行ったときも、フロントエリアにいた大学生風の若者たちが「YUIって結婚してるの?」「さあ」みたいな会話をしていて驚いたことがある。オタと非オタの壁は厚い。

今は地方局であってもネットのおかげで聴くことができる。便利な世の中になったものだ。多くの人がすでに聴いたかもしれないが、今回自分の備忘録のためにもササッと要点をまとめてみた。
  • 北海道は2013年のJOIN ALIVE以来
  • 寒いですね!
  • 北海道の想い出は、JOIN後に芸術の森スタジオで1週間ぐらい制作をした。バーベキューとか花火とかした。
  • 福岡のちょっと田舎の出身です。
  • 福岡から見ると北海道は美味しいものがある楽しい場所。
  • Albumが3年半ぶりに出ます。初期から最近の曲まで、ぜんぶ新曲。
  • 歌詞を書くのもアルバムに合わせて。間に合わなくて足りなかったらシングルを入れるつもりだった。
  • 色んな要素がある。幅が広すぎるかなと思ったけど、出来上がってみるとまとまったかなって。
  • スポットライトというタイトルは、曲にたくさんメッセージを付けたのでフラットなものがいいということでつけた。またライトが当たる場所に出ていくという意味、曲にスポットライトを当てていくという意味にもなったらいいなと。
  • 「時計」ON AIR
  • 「時計」はわりと最新、2016年12月26日とか27日とかにつくった。
  • 漢字でタイトルをつけることが最近流行ってて。
  • ツアーが始まります。
  • インコ?そこツッコまれると困る。ゆるい打ち合わせの中で決まって行った。
  • 北海道のオーディエンスは「ちょっとシャイ」「最後でふわっとテンションあがる」
  • バンドとしてはちょっとこう「一緒に盛り上がって行こうってぜ」って感じでもないのでw
  • アルバムのツアーですけど過去曲もやるんですか?「用意してます。」
  • 「マネキン」ON AIR
というような内容だった。パーソナリティーの発言に対し「おっ!」とか言っててyuiは変わってなかった。

これからさらにFM局を回ったりするかもしれないので期待して待ちたい。

2018年2月22日木曜日

アガサ・クリスティー「ホロー荘の殺人」(1946)

アガサ・クリスティー「ホロー荘の殺人」(1946)の1977年版ハヤカワ・ミステリ文庫(中村能三訳)の2002年第42刷を手に入れた。100円。
THE HOLLOW by Agatha Christie 1946
実はこれ、15歳ぐらいのときトライしたのだが、途中で挫折して読まないまま放っておいてその後どこかへ逝ってしまった。今こうして買い戻して読み進めている。

クリスティ女史にとって長編37作目。恋愛小説作家としての野心を強く感じる作風。
冒頭から3分の1は各登場人物たちの独白、そして会話が延々と続く。こいつが英米文学に特有の、ぜんぜん頭に入り込んでこない文体。

15の自分にはまったく意味を理解できなかったであろうことが今よくわかる。
少年の読者にはもっとも向いていないクリスティ作品だと思う。

3分の1読んでやっと事件発生。医者がプールサイドで銃撃され血を流して倒れてる。傍らにはリヴォルヴァー拳銃を持って呆然と立っている妻。その現場に招待されたポアロが登場して困惑。

この作品でのポアロはまったく控え目。人によっては「ポアロ、いらなくね?」とまで言われている。
それはつまり、この物語に登場する男女たちの愛の物語としての完成度が高い。

海外ミステリ作品は登場人物リストが冒頭に書かれていることが多いのだが、この作品はアンカテル夫妻以下はすべて「ホロー荘の客」としか書かれていない。え?みんなどんな間柄なの?意味が分からず大混乱。
英国の貴族って従妹同士で恋愛してんの?!庭で拳銃を試し打ちに興じる?

会話がタメ語なので、何歳ぐらいなのか?どちらが年上なのか?その辺がまったくわからない。読んでいてかなりストレスがたまった。家系図も載せてほしい。

弾丸が確かにその拳銃から発射されたものかどうかは旋条痕を調べればわかるにしても、妻ガーダの硝煙反応も同時に調べればすぐ状況がわかるんじゃね?と思った。この時代の英国では一般的でないの?とモヤモヤした。

クリスティの作品としては読み手を選ぶ作品かもしれないと思った。
しかし、ミステリ要素はオマケみたいなものとはいえ、ラスト5分の1は十分に驚いたし面白く感じた。殺された医者は実はいいやつだったんだな。
そんな真相が?!と、サスペンス要素のある恋愛ミステリー映画を見終わったかのような気分。

2018年2月21日水曜日

家入レオ「君がくれた夏」(2015)

家入レオ「君がくれた夏」通常盤(2015 VICTOR ENTERTAINMENT)を手に入れた。

これ、初回盤だと日比谷野音のライブ映像DVDがついてるのでファンのほとんどはそちらを買ったことだろうと思う。

これを手に入れたことでTrack2「Shooter」音源が手に入った。たぶんこの曲は1度も聴いたことがなかった。

そしてTrack3「I Feel The Earth Move [Live] 」(Carole King カバー)の音源が手に入った。
おそらくこれは2015年5月4日の日比谷野外音楽堂での音源?CD歌詞カードにもCD裏にもオビにもどこにも収録データが書いてない。オフィシャルのディスコグラフィにも書いてない。

これが完全に家入レオ色の強く出た野心的でオリジナルなI Feel The Earth Move になっていて素晴らしい。たぶん家入のギター弾き語り。堂々と自信にあふれた若々しい歌唱。

自分はこの日比谷野音に行けなかった。ちょっと後悔している。

2018年2月20日火曜日

そろそろ「ひらがなけやき」について語ろうか

やっと「ひらがなけやき」全メンバーのことがわかりかけてきたと思ったら、昨年夏ごろさらに「ひらがな2期生」が入ってきた。

よく歳をとってくると女の子の見分けがつかなくなってくると聞いてはいたのだが、自分は坂道グループ全メンバー(過去メン含む)の名前と簡単な経歴と特技ぐらいはマスターしている。
自分はまだ全員の個性をつかみ切れていない。あんまりブログを見る習慣がないからかもしれない。

「ひらがなけやき」とは、欅坂46発足直後に長濱ねるを加入させるために急きょ苦肉の策で立ち上げられたグループ。CDデビュー前から募集告知され、5月にはねるを除く11名が決定。2016年11月の3枚目シングル「二人セゾン」C/W「誰よりも高く跳べ!」から本格的に活動開始。

坂道グループは全員が本名で活動させる方針らしい。しかもかならず出身県も言わせる。そして必ずメンバー紹介は「あいうえお順」を踏襲しているので、自分もそれに倣う。ではメンバーをみていく。今回、自分の備忘録のためにも「ひらがなけやき」についておさらいしてみる。
井口 眞緒(いぐちまお)左上 22歳 新潟県出身
ひらがな最年長。欅の渡辺、菅井と同学年のお姉さんメンバー。初登場の自己紹介での「好きになぁ~れ」はちょっとした事故で好き嫌いが分かれてしまった。

アイドルオタはバカっぽい子を好まない傾向が高い。井口はいちおう大学生らしいので常識と分別はあるように感じるのだが、かなりエキセントリックな印象を世間に与えてしまった。
番組内で「ストーカーをしていた」発言と、ゲテモノ昆虫料理を平気な様子でパクパク食べてしまったときは全メンバーをドン引きさせた。

そして説明がとても下手くそで、プレゼン的スピーチがかなりの確率でぐだぐだになる。とても面白い人物なわりにあまり人気が出ていないように感じる。昨年夏の「本当にあった怖い話」での浴衣姿は普通以上の美人だったように見えた。

潮 紗理菜(うしおさりな)右上 20歳 神奈川県出身
子供時代をインドネシアで過ごしたためにインドネシア語が少しできるらしい。初登場の自己紹介でインドネシアの子守歌を披露。以後オタたちから「サリマカシー」と呼ばれるようになってしまった。

あまり握手人気で上位に食い込めていないようだが、笑顔はとても素敵だし洗練された大人の美しさを持ったメンバーだと感じている。もっと人気が出ていいはず。
こんな子がクラスメートだったらきっと毎日学校へ行くのが楽しかっただろうと思わせる。自分はかなり好き。

柿崎 芽実(かきざきめみ)左下 16歳 長野県出身
ひらがな最年少メンバー。苗字から親は地域の名士らしいことがすぐわかってしまった。
自分は初めて見たときからダントツでこどもに見えた。あんまり可愛く感じなかったのだが、ドルオタには受ける可愛さを持っている?負けず嫌いを全面に出して守屋と対抗しようとしたのは微笑ましい。

影山 優佳(かげやまゆうか)右下 16歳 東京都出身
自分はこの子を初めて見たとき日本の皇族に多い顔だと感じた。おそらく坂道グループNo.1の高偏差値ガール。国語と漢字を得意としてるので文系かもしれない。
サッカー観戦が趣味で戦術システムを語れる唯一のアイドル。KEYABINGOでのクイズ王決定戦企画では長濱と互角なことを証明した。
加藤 史帆(かとうしほ)左上 20歳 東京都出身
showroom配信のときから美貌が注目された。けやき坂の白石麻衣だと。だが、それはやや過大評価だったようだ。
喋り方と声質が若いころの「つみきみほ」そっくりだと思う。ややアホっぽい。ドルオタはアホっぽい子をそれほど好まない。いつも化粧が一番濃いことも気にかかる。

なーこ(長沢)推しで信奉者という親しみやすさを持つメンバーだが、齋藤冬優花と同じ高校に通っていたのにその件について何も言及しないなど謎の一面も持っているw
ポンコツ?と思いかけていたのだが、昨年秋の運動会で短距離走が全欅No.1だったことで見直した。身体能力は高い。それに脚も細くてスタイルよく見える。

齊藤 京子(さいとうきょうこ)右上 20歳 東京都出身
自分の見たところおそらく「ひらがなけやき」人気No.1 本人は意識してなくとも存在と言動がかなり天然で面白い。背も低いが声も低い。運動神経はややポンコツで走るのは遅かった。
だが、歌唱力はNo.1クラス。ひらがなオーディションを受ける以前から歌手を目指していて今泉と知り合いだったらしい。
ラーメン食べ歩きを趣味にしていて公式ブログはかなり面白い。二郎系ラーメンからファミレスや回転ずしのラーメンまでカバーする新しい時代のラーメン論客。

佐々木 久美(ささきくみ)左下 22歳 千葉県出身
けやき坂の年長者で実質キャプテン格。コンサートでもMCを回す。背は高めで美人と云えるかもしれない。だが、このタイプの面長顔はあまりドルオタには受けないかもしれない。自分はオリンピック選手タレントっぽい顔だなと思った。

佐々木 美玲(ささきみれい)右下 18歳 兵庫県出身
子供時代は台湾で過ごしていたので中国語が話せるようだ。けやき坂加入前からアイドル活動をしていたらしい。
気を抜いているとまったく可愛く感じないけど、メイクと衣装がばっちり決まっているとかなりハイセンスに可愛らしい。新春の「けやかけ」での着物姿はかなり美しかった。自分には綾瀬はるかに似ていると思われる瞬間がある。
みーぱんというニックネームが定着している。武道館公演で披露された新曲「イマニミテイロ」ではセンターに抜擢されオタを驚かせた。今年はもっと個性を出してブレイクしたい。
高瀬 愛奈(たかせまな)左上 19歳 大阪府出身
英国帰国子女で英語・独語・仏語が話せるらしいのだがまだ実力を発揮していない。
アイドル向きなかわいらしい顔をしているのだが現段階で欅坂全体でもかなり人気面で低位置に甘んじている。いつも表情が硬いように感じている。喋りも上手でないようだ。今年はなんとかブレイクする機会をつかみたい。

高本 彩花(たかもとあやか)右上 19歳 神奈川県出身
高校時代は弓道をやっていたらしく、その線から高校も判明している。「誰よりも高く跳べ!」MVでも単独弓道袴姿シーンがあったのだが、自称「ノリと勢いだけで生きてきた」パリピという明るい女子高生だったらしい。ひらがなでは人気上位かもしれない。

長濱ねる(ながはまねる)左下 19歳 長崎県出身
長濱については昨年の「風に吹かれても」からひらがな兼任を解除されたので現在はひらがなけやきではない。ひょっとすると日本の芸能界を変える存在かもしれないほどの空前のスケールを感じさせる存在。

東村 芽依(ひがしむらめい)右下 19歳 奈良県出身
自分は初めて見たときはぜんぜん可愛くないと思ったw 中学時代の成海璃子っぽかった。髪を切って正解。やや可愛くなった。意外に人気があるようだ。バトンをやっていたことぐらいしか知識がない。

たぶんSMEの今野さんは、乃木坂46がシングル選抜制だったために多くの脱退者を出してしまった反省から、欅坂をメンバー固定制にしたんだと自分は理解していた。
だが、追加メンバー募集は既にいたメンバーたちの心を傷つけた。

ひらがな結成から1年半以上経っているのに、ひらがなメンバーに重篤ファン以外がふれる機会は多くない。活動の場は握手会とコンサートがメインで、レギュラー番組でも扱いは多くない。
これでは欅坂46の下部組織にすぎないではないか?ひらがなけやきメンバーも傷つけてはいないか?メンバー内バトルを見て楽しむバラエティノリはもう過去の遺物ではないのか?

紅白歌合戦2017に「ひらがなけやき」メンバーは出場できなかった。結局、漢字欅とひらがなけやきはAKBグループの本店と支店のような関係になりつつある。はたして欅坂としての一体感と仲間意識はそこにあるのか?

2017年にはひらがな単独で全国ツアーも開催。そして、2018年は平手負傷というハプニングもあって、ひらがな単独武道館3DAYSという予期せぬ展開へ。このことはいまひとつ活動させられなかった「ひらがな」たちへの申し訳なさからバランスをとっているのかもしれない。
しかも、ひらがな単独でアルバムまで出る。完全に別チーム化が進んでる。
二期生はまだほとんどわかっていないので、また折を見て。それにしても小坂さん(中3)はすごい美人だと思う。

2018年2月19日月曜日

吉村昭「海も暮れきる」(1980)

吉村昭「海も暮れきる」という本がそこにあったので買って帰った。自分が手に入れたのは1985年版講談社文庫の1992年第3刷。100円。

尾崎放哉(1885-1926)という俳人の小豆島での晩年を描いている。自分はこの人を「咳をしても一人」の自由律俳句の人という知識以上のものはもっていなかった。放哉を知りたいというより吉村昭の本だからという理由で手に取った。

この本を読み始めてすぐに後悔した。あまりに悲惨すぎてもはやホラーだと思った。読んでいて他人事だと思えず苦しすぎた。
端的に説明すると、身寄りもお金もない独居中年男闘病孤独死日記。こんなに読んでいてつらい本は初めて。

俳人なのだから、俳句で生活していたのかと思っていた。間違っていた。俳句で食べてはいられない。

一高から東京帝国大学法学部を経て生命保険会社で要職を勤めるエリートだったのに、あまりの酒癖の悪さから人生を転落。満州へ渡りそこでも酒で問題を起こす。酔うとやたらと狂暴になって他人を見下し攻撃し顰蹙を買う。
会社をクビ。夫人と別れ京都、須磨、浜田を寺男として流浪。托鉢などして生きながらえる。やがて寺での勢力争いに嫌気がさす。やっぱり酒で問題を起こして追い出される。

大学時代の先輩で「層雲」を発行していた俳人・荻原井泉水の紹介で小豆島へ渡る。井上一二という醤油蔵を営む俳人を頼るのだが、この人は大して親しくもない他人。
あとは寺の庵に住んで巡礼者の賽銭を糧に、足りないぶんは食べ物を分けてもらう極貧生活。日々俳句を作って暮らす。

この人は生活をする能力がなかった。働く気力も体力もなかった。ひたすら金の無心をする手紙を書く。それも大して親しくもない人々へ甘える。プライドが高いのに卑屈で心が不安定。相手の表情から蔑みや困惑を敏感に読み取る。井上も住職も不親切だと心で罵りいらだつ。で、金もないのにやっぱり酒に逃げて問題を起こす。

自業自得、自己責任という人もいるかもしれないがこの人は肺病を患っていた。寒さに震えるも炭も買えない。はげしく咳をして熱を出して寝込むのに薬も買えない。
それでも自分の俳句を評価してくれる少ない人がたまに多少のお金を与えてくれたりする。ガリガリに痩せ廃人同然になっていく。貧乏が寿命を縮めた。

肺病は悪化すればするほど頭が冴えるらしい。絶望の中で傑作を残した。
なにがたのしみで生きてゐるのかと問われて居る
自分も同じ。生きててそれほど楽しいこともない。他人事じゃない。

戦前の日本の農村部の貧困の酷さは知ってるつもりだったのだが、住宅と衣服と最低限の食料と暖房と医療がないと絶望的に悲惨。ソ連(ロシア)の50代以上の人々は西側の人々は哀れだと教えられて育ったそうだが、それはあながち間違っていない。とにかく日本は今も貧しい。

放哉には小豆島に渡る前に台湾に行くという選択肢もあった。台湾なら寒さに震えることもなかったかもしれない。
それに地方であっても都市部の郊外なら、寺子屋でこどもたちに英語でも教えて収入を得られただろうに…と思った。だが、肺病の先生にこどもを預けたい親はこの時代にはいないか。

享年42歳。読んでる最中は90歳ぐらいの老人のように思えた。1日1日がサバイバル。

吉村昭も若い自分に結核で死を意識した。放哉には親近感を持っていた。書簡などを調べてこの本を書きあげた。放哉の心理を読み取って補完して読者に伝える。

とにかく暗い気分になる1冊なので、よほど人生が充実して豊かな人以外は読んではいけない。自分もこんな最期を迎えるかもしれない…って気分になる。

2018年2月18日日曜日

長澤まさみ「ドラゴン桜」(2005)

2005年夏にTBS系で放送され大反響だったドラマ「ドラゴン桜」を12年ぶりに正月に見た。数年前に録画した再放送をようやく見る気になった。

超底辺高校にやってきた債権者代表弁護士が「東大に行きさえすれば人生OK」と生徒たちをダマして学校を再建するドラマ。東大原理主義ドラマ。実際にこのマンガドラマを信じた人はいなかったと信じたい。
私立高校が潰れるという事態はありえそうだと想像できるのだが、債権者説明会があんなものなのか?先生たちが生徒以上に醜態をさらすものなのか?ドラマなのでいろいろ盛ってるかとは思う。
見た当時はとても面白く感じたけど、展開と結末を知ったうえで見ると期待していたほどではなかった。大学受験というテーマに自分はもう関心を失っている。

主演は暴走族上がり弁護士・阿部寛。ヒロイン英語教師は当時人気絶頂だった長谷川京子。長谷川の演技が今見てもかなり見劣りがする。それにぜんぜんかわいくないw

そして当時高校3年生だった長澤まさみが最底辺高校に通う生徒役で出演している。
生徒役の主演クラスが山Pとまさみ。3番手グループで新垣結衣、小池徹平、サエコ、中尾明慶も出演。サエコを除いてすべて今現在も俳優業で活躍中。サエコがたいしてかわいくないw 
その他の全校生徒はドラマの最初のほうだけでその後まったく出演シーンがないw
長澤まさみと新垣結衣、このふたりは約13年前から輝いていた。

この当時の新垣結衣はギャル役が縦続いた。ヒロインの友だちとか恋のライバルとか3番手4番手キャストとしてドラマに出演していたので致し方ない。しかも背が高いのでちょっと怖いギャル。それでも新垣結衣は人気爆発していった。
山Pをめぐる恋の三角関係も描きそうなものだが、そこはほとんどない。ひたすら大学受験をめぐるヒューマンドラマ。
今回見て驚いたのがメインキャストの生徒たちがほぼみんな演技が上手だが、なかでも長澤まさみが、贔屓目に見てることを差し引いても、演技が一番上手。表情のアップのカットが多い。時間が長い。

ドラマ中盤で小料理居酒屋を経営する唯一の肉親である母親(美保純)が脳梗塞で倒れるという、これから受験勉強をしないといけない18歳には厳しい試練が訪れる。ここから先、ぼんやり少女だったまさみは表情がガラッと変わる。
母親が倒れて最初の夜に山Pと橋の上で会うシーン、阿部寛に受験をやめると告げるシーン、校舎裏で「自分で言え」のシーン、「人生を180度変えるつもりが360度変わって元にもどっちゃった」のシーン、どれもがスーパー名シーン。
ここを見れば長澤まさみが10代から一流の女優であったことがよくわかる。時間をもたせて視聴者を引き付けられる女優は稀有な存在。
長澤まさみは2015年ごろから女性たちの間で「以前は嫌いだったけど最近は好き」という声が高まった。だが、そう思った人は鈍感だったとしかいえない。ぽっと出のアイドル女優はなかなか認められない。「ドラゴン桜」でのまさみの演技と清楚な美貌は誰が見ても圧倒的だったのに。
まさみは2005年当時から立派な演技をしていたしスタイルも良いし圧倒的美貌を持っていた。Tシャツ姿を見ればまさみが特別な存在だったことがよくわかる。
ギャルJK新垣結衣はこの時点ではカワイイと気づいていた人は多くなかったかもしれない。顔立ちがややユニーク。だが、制服の着こなしはさすが。
10代で演技を仕事にしたアイドルたちはたいてい「泣く」演技が最初のハードルになって淘汰されていく。生き残っていく人はみんなカメラの前で泣けた人達だ。それは日本芸能村の悪しき習慣と思いたい。
長澤まさみも新垣結衣も最初からそこで人と違っていた。まさみは清楚なヒロインをビシッと高い精度で期待されるものを出した。新垣も演技を始めた初期からギャルという自分の引き出しにない役柄を適切に演じきった。

母が倒れるまさみ、父蒸発で借金まみれの山下、ライバルがアイドルとして活躍してるサエコ、家に居場所がない小池、双子の弟が名門校に通う中尾。このドラマの生徒の設定がどれもドラマ脚本として素晴らしい。どう転んでも面白いはず。

立場が逆転されそうだからと試験本番に食中毒サンドイッチを渡す弟が最低すぎ。足元を見て楽器を安く買いたたくリサイクルショップも極悪。いろいろと社会の酷さを2005年当時の子供たち教えたドラマ。
模試会場にこんな服装で行く水野(まさみ)。周囲の男たちは試験どころじゃないだろう…って思った。

東大に行かないとダマされ続けるぞ!と言われた若者たち。その後10年、ダマされていないだろうか?
現在の日本の労働力不足は若者にとって有利な展開のはずなのだが、果たしてそうなってるかどうか。奨学金で親子2代自己破産とか、こどもが生まれてきたこと自体が間違いだったとしか思えない。どんだけ貧しい国なんだ。

富の公平な再分配のために、若者たちは何かサービスをしたら、羽振りのよさそうな中高年からはチップを取る習慣を社会全体に広めたい。
とくに竹中小泉のように日本をアメリカ化した人には、チップをくれなきゃ何もサービスを与えないというようなムーブメントを期待したい。

2018年2月17日土曜日

エラリー・クイーン「シャム双子の秘密」(1933)

エラリー・クイーン「シャム双子の秘密」の角川文庫新訳版(越前敏弥・北田絵里子 訳)を手に入れた。
2014年の初版だった。多少水ヨレしてる箇所があったけど100円という弱気な価格がついていたので買って帰った。
THE SIAMESE TWIN MYSTERY by Ellery Queen 1933
これ、たぶん10代のころ1度読んでる。ミステリーはオマケみたいな山火事ディザスター小説だった気がする。
今回、新訳版で読み返してみた。やっぱり山火事と「カニ人間」意外の要素は何も覚えていなかった。

愛車デューセンバーグで父クイーン警視と旅行中のエラリーくん。悪路を走行中に山火事に巻き込まれる。もうこの一本道を行くしか他にない。その先にある館を訪問。ひと晩の宿を請う。

こいつが山火事によって下界から遮断された館というクローズドサークル。山火事が迫りつつあるという切迫した状況で物語が進行。

そこで主人の外科医が書斎で射殺される。闖入者にすぎない2人は身分を明かして捜査開始。その場にいただけで上から目線で尋問されたり命令されたりする。もし自分が事件関係者になったら嫌だな。

トランプの「スペードの6」ダイイングメッセージから「夫人が犯人だ!」と決めつけるも、トランプは被害者が自ら掴んだものではないことに気づいて撤回。

次に、破かれたトランプと指紋の付き方のロジックから、犯人が左利きであることを証明して左利きの人物を捜す。こいつが犯人だ!
なんか、あてずっぽうなエラリーがやらかしまくり。

だいたい殺人罪はほぼ死刑の時代に、大した証拠もなく犯人呼ばわりされたら、誰だってパニくる。
得意げに犯人を指摘しておいて二転三転させるエラリーくんも酷いが、容疑者が逃ようとしただけで後方から狙撃し弾丸が肺に達する重傷を負わせる父クイーンもクズ。「だって犯人だって云うから」とか言い訳がヒドすぎる。

麓の消防本部から単葉機によって投下された手紙が「ごめん。あとはそっちで何とかして」感が酷すぎる。

相変わらず犯人を絞り込むロジックはわかるようなわからないようなもの。
だが、今回は警察の鑑識がいないので証拠もない非常事態。かなり特異な展開を見せる1冊で、犯人のミスリードの仕方は新鮮なパターンだった。

以前読んだときは山火事がどのようなものかよくイメージできなかった。湿潤な日本だと山火事といってもぷすぷす白い煙が立ち上ってる映像ぐらいしか見たことない。
だが、煌々と紅く山全体が燃えるカリフォルニアの山火事映像を見て初めて「シャム双生児」の山火事がよくイメージできた。

2018年2月16日金曜日

渡邊理沙「本当は全然ドSじゃないのに…」

ハッスルプレスさんが出してる「UNDER18 Cool アンダー18 クール」(2017年3月発行)というムック本がそこに100円で売られていた。表紙が渡邊理沙と小池美波の2冊あったのですかさずゲット。

これ、普通に買えば1冊1720円もする。生写真3枚ランダム封入というオタ買いアイテム小品。生写真が欠落してるにしても100円は弱気な価格。たぶん値付けを間違えてる。700円はつけてもいいはず。ISDNとか書いてない一般非売商品なので、おそらく中古店側が相場を把握できなかったに違いない。

いつも質の高いグラビアフォトを公開してくれるハッスルプレスさんには感謝しかない。この紙媒体はウェブで公開されてるものとは別カットか?比較してないのでわからないけど、こちらも相当にクオリティが高い。
特に優れていると感じるのが、1枚たりとも「その写真はかわいくない」というようなカットを選んでない点。

理沙さんのインタビューが掲載されている。「なんでクールって言われるんだろう?」「たぶん(欅書の)最初の人見知り部分が、収録中の発言とか雰囲気にも出ちゃったのかなって……」と、本当はクールじゃないのにと戸惑う理沙さん。

今現在AKBよりも坂道グループが隆盛なのは、小さい声でひと言発言して恥ずかしそうにするその恥じらいとハニカミぶりが、ドルオタ男子たちに受けているんだろうと思う。
男子が女の子をカワイイと感じる一番大事な要素は「恥じらい」。坂道の人気メンバーはみんなそう。(乃木坂では最近それが薄れつつあるように感じる)

ほんの一部だけ引用させていただく。クールと呼ばれ戸惑う理沙さんの心情がよくわかる箇所。

(ザ・クールと呼ばれることに慣れた?)
「もう抵抗はなくなりました。それをきっかけに私のことを覚えてくださったり、私と愛佳の組み合わせが好きで握手会に来てくださったりするファンの人がいるので、それはすごくありがたいなって」 
「ファンの人からはよく『全然クールじゃないじゃん』って言われますね。『冷たいのかな』って思われがちだから、握手会で不通にしゃべっただけで喜んでもらえることもあります(笑)。このキャラなので、最初のイメージよりも印象が悪くなることがないっていうのはすごくいいなって、最近気づきました(笑)」 
「だから今となっては、最初に"ザ・クール"っていう愛称をつけてくれた澤部さんには感謝です。あ、でも、クールはいいけど"ドS"はちょっと…」
クールではないと心の中で反抗しつつ、そう呼ばれることは悪くないって理沙さんは思ってた。それ、全然知らなかった。
近年のアイドルオタって、自身の「ドM性」をまったく隠さない人が多いな。ドMはもう恥ずかしいことじゃないんだよと。
すべての男は本当に愛おしい美少女の前ではドMなのかもしれない。可愛らしく気が強い美少女は「ドS」を期待されてしまう。
「握手会で『ののしって!』って言われることがすごく多いんですよ!何を言えばいいのか分からないのが本音です(笑)」 
「スタッフさんもそっちのほうがおもしろくなるのが分かってるから、私もそういうキャラでいたほうがいいのかなって。本当は全然ドSじゃないのに……。『ののしって!』って言われたら、いつも『早く帰れ!』って言ってます(笑)」
と、期待に応えてドSを演じてしまう理沙さんであった。いい子すぎて感動w
手慣れた握手勢はもう理沙さんにその話題はしないらしい。新参で握手に行く子もそこの話題は控えたほうがよさそうだ。
なお、このインタビューでは「オーディションに合格してから活動まで2か月空いたので、その期間に不安になって『やっぱやめようかな』と思った」「けど、もう世に名前が出ちゃってるし、ここでやめたらカッコ悪いかなって」とか注目の発言もしている。

「(アイドルとしてこうなりたいみたいなのは)模索中。」「無趣味なのでサーフィンとかスノボとか体を動かすことを趣味にしたい」などの発言も意外。この号は渡邊理沙が好きならぜひ持っていたい。

non-noモデルとしての活動も始めている理沙さんだが、まだ特集ページとかでは見ていない。なんとか人気モデルとしての成功を祈る。
この号は巻末の志田愛佳グラビアも素晴らしすぎ。インタビューでは志田さんもクールと呼ばれることに戸惑い「人見知りなだけ」と否定。志田さんによればメンバーで一番クールなのは織田奈那なんだそうだ。
志田さんが志田さんをよく理解してると感じてるメンバーは理沙、ねる、鈴本の3人で、何かあったらよく相談するのもこの3人らしい。

あと、高本彩花のグラビアページもある。高本はダンス歴が6年ある。高校は毎日がコントのように楽しく卒業したくなかったとのこと。
小池美波は「ギャグを返すこと」では他のメンバーに負けないという自信を持っているそうだ。「体力がない」「菊池桃子さんが好き」「恋愛に興味ない」などの発言も。

このイシューを手に入れると、いろいろと楽しい知識を得られる。

2018年2月15日木曜日

横溝正史「死仮面」

角川文庫の横溝正史「死仮面」を手に入れた。昭和59年版の昭和62年第7刷。こんな作品の存在を今日まで知らなかった。

その店にはこの時代の横溝角川文庫が20冊ぐらいあって歓喜したのだが、どれもとても状態が悪かった。以前の所有者がスナック菓子でもボリボリ食いながらページをめくったのか?ところどころ黄ばんでいて汚い。そんな中から2冊のみ選んだ。その1冊が「死仮面」。100円で購入。

この杉本一文イラストカバーの折り返しにストーリーのあらましがこう書いてあった。
昭和23年秋、「八つ墓村」事件を解決した金田一耕助は、岡山県警へ挨拶に立ち寄った。ところがそこで、耕助は磯川警部から、不気味な死仮面にまつわる話を聞かされる。
ここを読んで状態が悪くても買うことを決意。実は自分、金田一シリーズは昭和30年代以降の作品はあんまり好まない。戦後直後の悲しいものが好き。

実はこの「死仮面」という作品は1冊の本にまとまるまでにとても面白い経緯をたどった。横溝正史のファンならみんな知ってることらしい。

巻末の解説を中島河太郎氏が書いているのだが、この人物こそが今日この本を読めるようにしてくれた功労者。

昭和50年代に横溝正史作品のほとんどが角川文庫に収録されていった。昭和24年に名古屋で刊行された「物語」という雑誌に金田一耕助モノの未刊の長編作品が連載されていたらしいことが知られていたのだが、こいつが国立国会図書館に連載全8回ぶんのうち7回しか現物がなく、連載第4回ぶんがまったく不明。

当時の地方誌は東京では流通しいなかったらしい。雑誌といっても粗悪な紙の冊子で露店で並べて売られていたもの。出版社にも現存しておらず地元図書館にもない。近代文学館、大宅文庫を捜してもない。個人蔵で持ってる人がいないか呼びかけても反応がない。しかたなく中島氏が第4回分を想像で補筆して1冊にまとめ上げた。

当時の横溝正史は「悪霊島」執筆中で、もう「死仮面」を書きなおす気力がなかったらしい。そもそも本人がこの作品を気に入ってなかった?

他の作家によって補筆される。それ、モーツァルト「レクイエム」におけるジェスマイヤー、プッチーニ「トゥーランドット」におけるアルファーノのような状況。困難な仕事になることが予想される。

で、読んでみた。事前にどこが中島氏の補筆による章なのか知らずに読んだのだが、どこも気にならずに読み終わってしまった。つまり、まったく問題なく読めた。そもそも横溝正史の文体はとても平易でそれほど個性はないからな。この作品は中学生でも余裕で読めるだろうと思う。

野口という男が、停車場で倒れている身元不明女を拾ってきて岡山市の戦災バラックみたいな場所で3か月を一緒に過ごした後女死亡。死の間際にデスマスクを作ってある場所へ送り届けてくれと頼まれた…という口述書から始まる。
その後死体が腐乱。周辺近所が臭いと騒ぎ出して露見。死体を凌辱した跡があるということで男は取り押さえられ精神鑑定へ。移送中に旭川へ飛び込んで逃走。

冒頭のこれがなければ、女子高の寄宿舎が舞台の凡庸な遺産相続をめぐる殺人事件なので、まったく雰囲気が異なった作品になっていたに違いない。ヒロインは女子高生。ジュブナイル金田一っぽいテイスト。
けど、金田一さんから話される事件のあらましに、旭川に飛び込んで逃げた野口のその後の行動の記述がまったくなくて説明不足に思った。

この「死仮面」という作品は後の1998年に、春陽文庫から「完全版」が出ている。ってことは未発見だっ連載第4回ぶんが発見されたってこと?!
春陽文庫が悪名高いところで(?)、その後まったく出版されずに入手困難な状況が続いている。中古マーケットで高騰しているらしい。自分はマニアでないのでもう「死仮面」にはそれほど関心ないのでどうでもいいけどw ぶっちゃけ75点ぐらいの出来のように思う。

角川版には「上海氏の蒐集品」という作品も収録。昭和55年に「野生時代」7月号と9月号に2回掲載された横溝正史生前に発表された最後の作品。だが、解説を読むと昭和40年ごろに書かれたものらしい。

東京郊外の武蔵野の風景が、団地建設で変わり始めた昭和30年代なかごろ。足が不自由で記憶喪失の40代画家の男が知り合った近所の女子中学生との交流を描く。

この作品が「死仮面」とまったく違う味わい深い文学作品。松本清張の短編っぽい。戦争に人生を翻弄された男の短編映画っぽい。こちらの方が断然好き。

カワイイ中学生だった女の子が高校生になって、団地建設現場監督の40男と連れ込み宿にいる場面を目撃…って、それ辛いw
この悪女ともいえるコケティッシュな魅力の少女を、14歳から18歳ぐらいまで演じられる女優が思いつかない。今なら広瀬○ずとかいいかな?

「上海氏の蒐集品」はもっと知られていい良い作品。読者だけにしか真実が見えない鬱系社会派サスペンス。

2018年2月14日水曜日

CDJ1718でFLOWER FLOWER「月」

WOWOWさんがCOUNTDOWN JAPAN 1718を2月10日11日と2夜連続でダイジェストを放送。
FLOWER FLOWERは2017年12月31日DAY4のGALAXY STAGEに27時に登場。なのでダイジェスト放送のほんとうに最後の最後のほうにやっと登場。
放送された曲はCDJ1314のときと同じくまたしても「月」だった。今回の放送によってFLOWER FLOWERのフェス出演映像が3つに増えた。
ちなみにFLOWER FLOWER CDJ1718のセットリストは公式発表(rockin'onさんのクイックレポート)だと
M1 月
M2 神様
M3 コーヒー
M4 素晴らしい世界
M5 バイバイ
M6 スタートライン
M7 ひかり
というものだった。CDJ1314で「月」、RIJF2017で「マネキン」の映像が手に入ったので、できることなら「コーヒー」か「ひかり」が欲しかったところ。
深夜3時だというのに客が元気w 自分はチケットがまったく当たらずに行けてない。
yuiのステージ衣装はザンジバルナイトとほぼ同じ?だったことに今気づいた。
だが、自分はあまりこの衣装が気に入っていないので、できることなら春のライブは別のパターンが見たい。
「ひとつになろうよぉ」ではyuiのこの表情が出た。何か急に楽しいことを思いついた少女のような笑顔だ。久しぶりに見たyuiの良い表情だ。
この映像が一番最近のyuiとメンバーの映像。2ndアルバムリリース時にはまたMステとかJCDとかテレビに出て欲しいけどたぶんないかも…。
yuiは2月24日(土)都立シンボルプロムナード公園イーストプロムナード・石と光の広場でのオリンピック関連イベントに元キマグレン・クレイ勇輝らと一緒に出演する。他のメンツ的にそれほど人が集まるとも思えないが、長時間イベントなので見る側が過酷にならないか心配だ。

2018年2月13日火曜日

新山詩織 ライブツアー2018@赤坂BLITZ2月12日

久しぶりに新山詩織のライブに行ってきた。東名阪ツアーの赤坂BLITZファイナル。

新山ライブは自分にとっていつ以来だろう?と調べてみたら昨年9月のEXシアターぶり。
赤坂BLITZ自体が自分にとって本当に久しぶり。なんと活動休止直前のYUIがシークレットで降臨した2012年のステレオポニー解散ライブ以来のごぶさた。

それにしても寒い。今回はA40番台というチケットだったのでちゃんと早めに開場を待っていた。ステージ最前の方にも行こうと思えば行けたけど、BLITZは後方の1段高いスペースの最前の柵に腕をのっけて見ることにしている。難なくそのスペースをキープ。

たぶんAチケットが先行販売分でBチケットが一般発売分。Bチケットの待機場所にいた人が少なかった。たぶん100人未満。当日券も出ていたのでたぶんSOLD OUTはしてない。

それでも赤坂BLITZワンマンはギタ女シンガーソロワンマンにしては大変な場所。わりとしっかり客で埋まってた。
なかなか女子ファンが増えていない。たぶん97%ぐらいは野郎。その半分以上が35歳以上な感じに見えた。独りで来てる年配男性が目立つ。

後方スクリーンにこれまでの歩み的なドキュメンタリーっぽい映像が開演前と休憩転換時間に流された。

相変わらず地味な中学生のようなヘアスタイルの新山だが、この日は深紅のあざやかなパンツスタイルにノースリーブの白いシャツに黒いシースルーの上着を着たようなスタイル。
1曲目はデビューシングル曲「ゆれるユレル」では「アカサカ!」のシャウト。
2曲目「Don't Cry」の段階で、「ははあ、今日はシングル曲を順番にやっていく趣向だな」と思った。その通りだった。

6曲目「ありがとう」はキーボード山本健太のピアノと、座った新山のハンドマイクによる演奏。
「いい感じで目が輝いてます」前回のツアーでの大雪の想い出などの、朴訥としながらも楽しいトークを展開。新山さんと山本氏のトークはだいぶ落ち着いた大人の会話のように思えた。紳士と淑女の会話のようだった。

7曲目「隣の行方」はおなじみ金子健太郎氏とアコギ2本による「アコースティック初披露」演奏。
8曲目「あたしはあたしのままで」はドラム橋谷田真、ベース柳原旭、エレキギター新山というスリーピース体制。5年前の思い出話やツアーについてのトーク。
新山詩織のトークを聴いていると、この子は本当に育ちがいいんだなって感じる。ときおり微笑みながらの真面目会話。ほとんどふざけたことは言わない。

9曲目からはいつものバンド編成へ。こんどは刺繍の入った(?)黒いシャツに幾何学模様のスカート(?)姿。なんと9曲目は「愛は勝つ」。

アンコールでは「5」とプリントされた黒Tシャツでは新山ゼロ枚目シングル「だからさ」、そしてオーディションで唄った「丸の内サディスティック」弾き語り。

新山の感謝の手紙は場内がシーンと静かになってしんみりしすぎだった。
映写された映像ではリハ風景。スキニージーンズの新山、お尻が小さくていい感じ。
最後はもっと盛り上がれ!と「Everybody say yeah」で締めくくった。
新山詩織 2018年2月12日 赤坂BLITZ セットリスト
01.ゆれるユレル
02.Don't Cry
03.ひとりごと
04.今 ここにいる
05.絶対
06.ありがとう
07.隣の行方
08.もう、行かなくちゃ。
09.愛は勝つ
10.あたしはあたしのままで
11.恋の中
12.糸
13.Snow Smile
14.さよなら私の恋心
アンコール
01.だからさ
02.丸の内サディスティック
03.Everybody say yeah
いつも何かしら次のライブとか告知があるのが通例だが、今回のツアーファイナルではそれがなかった。
新山は決して順風な活躍ぶりというわけでもないのでいつも危機意識を持って応援している。2月10日に22歳になった新山のさらなる飛躍と活躍を期待している。