2015年7月3日金曜日

FUJICA COMPACT 35 で撮る

FUJICA COMPACT 35 というカメラを手に入れてしまった。べつに欲しいタイプのカメラでもなかったのだが、324円でころがっていた。汚かったし、ファインダーを覗いて明るい方向へ向けても針がまったく動かない…。だが、FUJICA HALFを修理した経験からこいつも修理できるかもしれないと思ってレジへ。

FUJICA COMPACT35は距離計のない目測ピント、電池不要のセレン素子によるEEカメラ。1967年の発売以来、マイナーチェンジを繰り返したのだが、正確にどのモデルなのか自分にはよくわからない。巻き上げレバーのトップに飾り板がついているのでひょっとすると「New FUJICA COMPACT35」かもしれない。自信ない。

高級感が感じられない。ま、ファミリーユースの大衆機だが、セレン素子を使ったEEカメラは70年代には時代遅れになるので最後のセレンEEコンパクトカメラ。パシャンというシャッター音がトイカメを思わせるほど軽快で、使っていてじつに気持ちいい。

皮が経年劣化で縮んで露出した金属部分からはみ出た接着剤がこげ茶色に変色してすごく汚らしかった。つまようじで掻き落とした。あとはアルコール綿棒でひたすらごしごし掃除する。

そして、分解へ。皮をはいで、ねじをはずす。巻き上げレバーのねじが固くて難儀したが、ガムテープを使ったりして反時計回りに回して外した。
このカメラもちゃんとセレン素子が光に反応して微弱な電流を流して、ちゃんとコイルを回転させていた。明るい場所と暗い場所でなんとなくシャッター速度が違うのでそうじゃないかと期待していた。ただファインダー内の指針を動かしていない…。面倒くさいがファインダーのフタも開けてみた。

針が固着して動いていない。緑色に錆びている。そしてメーター針を固定しているピンの髭ゼンマイがメーター針を上へ押し上げているのだが、この力がやや弱い気がした。だがこれ以上はもう分解できないので、ゼンマイを固定してるピンの箇所にシュッとノズルでグリスを差して、ドライバーの先で何度も動かしてみた。シャッター半押しをカチャカチャと何度も動かしてみる。
FUJICA HALFでは明るいほど針が上に登るのだが、FUJICA COMPACT35では明るいほど針が上から下へ下がる。うーん、どうしてそんな機構に変わったのか不明。

なんか、グリスを患部に差しただけで動くようになったっぽいので再び組み立てて一番上の写真の状態にした。拾ってきたカメラを自分で治して使うと愛着も湧く。おしゃれなカフェに連れて行くとそれなりにおしゃれなカメラに見える。

レンズの中にもゴミがあるように見えるので、本来は分解したかったのだが、レンズ飾り板がどうしても剥がせない。通常なら精密ドライバーの先端で板を持ち上げられるのだが、このカメラはまったく先が入るような隙間を見つけられない。なんとかがんばったのだが、これ以上やると飾り板がボロボロになりそうなのでやめておいた。

このカメラはオートで撮影しなくても、露出とシャッター速度を決められた組み合わせから選べるので、適正な露出で撮影ができる。

だが、このカメラISO25からISO200までしか対応していない。このスペックだと今現在の使用にはちょっときびしい。それに、セレン素子電流コイルの反応がやや悪い。このカメラは実際よりも暗いと判断した計測値を針が示している。この感じだとISO100のフィルムを入れて、感度設定をISO200にしてもハイキーになるかもしれない。その設定で最初のフィルムを撮りきった。
鎌倉極楽寺
鎌倉散歩に連れて行ったのだが、このカメラの使用感がすごくいい。しかも、こんな写真が撮れた!
東京都東村山

近距離の撮影でもいい感じ。フジカコンパクト35、これからも持ち歩きたい。

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