2018年2月11日日曜日

アガサ・クリスティー「邪悪の家」(1932)

アガサ・クリスティー「邪悪の家」(1932)のハヤカワ・ミステリ文庫(田村隆一訳)1984年版を手に入れた。
PERIL AT END HOUSE by Agatha Christie 1931,1932
この作品は創元では「エンドハウスの怪事件」、新潮文庫では「エンドハウス殺人事件」というタイトルになっている。この1冊も100円でそこにあったので手に取った。
この1冊はクリスティ女史の師で友人であったイーデン・フィルポッツに捧げると序文に書いてある。

探偵業をほぼ引退し悠々自適の生活を送るポアロ、友人のヘイスティングズと一緒に英国南海岸のホテルへ。
その地で古い館を所有する若く明るく天真爛漫で魅力的な美女ニック(20歳そこそこ?)と出会う。
話を聴くと過去3度命を狙われ、ポアロのすぐそばでも狙撃される。

親切なおじいちゃんポアロはニックを護ろうと奮闘するも、花火パーティーの夜、ニックを監視してもらうために呼び寄せた従妹のマギーが一瞬の隙の間に射殺される。どうやらニックと間違って殺されてしまったようだ…。痛恨のポアロ。

ニックをさらに厳重に療養所に入れるのだが、今度は毒入りチョコレートで死にかける。
なかなか事件の真相に迫れない窮地のポアロ。
どうやらニックは婚約者の遺産を受け継いでるようだ。ニックが死んでしまったというウソ情報を流して反応を見てみることに…。

最後は館に全員を招いて真相を語る。あのいかがわしいと思っていた夫婦の正体がわかって、こいつが犯人だったのか?!と思いきや、さらなる急転直下の意外な結末!

この本、これまで読んできたクリスティ女史の本で、自分には一番面白かった!読んでて飽きる場面がまったくない。自分の選ぶクリスティ作品のベスト。

格キャラがいきいきとイメージできるし、何もモヤモヤする箇所がない。1本の良いサスペンス映画を見たかのような充実感。読み終わって「おおぉぉぉ…ぅ」と声をあげた。強くオススメする。

ポアロとヘイスティングズのやりとりもユーモア。だが、最後に犯人が自決できるよう準備したポアロは冷酷。
これ、日本を舞台にドラマ化するならニック(まさみ)、ライス夫人(文乃)、マギー(K木華)希望。

0 件のコメント:

コメントを投稿